そのムーブ!のあるコーナーで昨日、一ヶ月半ほど前に話題になった、カンボジアの“ジャングル・ウーマン”の話が取り上げられていた。
ムーブ!によると、問題の女性が発見されたのは1月13日。カンボジアのとある村で、食料の盗難が続いていたことから村人が警戒していたところ、全裸の女性が製材所に侵入して、四つんばいで米を食べているところを発見され、捕らえられたという。
その女性の特徴は以下。
1.クビを突き出し、猿のように屈んで歩く
2.全身やせ細り、あかまみれで悪臭
3.毛髪はボサボサで、ひざくらいまでの長さ
4.奇声を発するが、言葉は話せず理解もできない
この女性に対して警察官のサル・サーさん(45)が、1989年に家畜である水牛の世話をしていて行方不明になった自分の娘(当時8歳)かもしれないと名乗り出た。右腕の傷が一致したことから、本人だと確信したという。
それ以来一ヶ月半の間、家族と共に生活を送っているが、人間生活への適応が進んでいないという。彼女は、警戒心が強く夜行性で、時々四つんばいで行動する。すぐに服を脱ぎたがり、何度も脱走を試みたらしい。また、野菜は食べずに豚や牛の生肉を好むという。当然、いまだに言葉も話せない。
8歳の時に行方不明になった少女が、「野生動物の宝庫」ともいわれる人跡未踏のジャングルでどのようにして18年間も生活してきたのか? ムーブでは、4つの可能性を指摘する。
@ジャングルで一人で生き抜いた?
Aジャングルで動物に育てられた?
B奥地の少数民族と暮らしていた?
C何者かに監禁・虐待されていた?
@は爪がきれいに切ってあり、手も比較的きれいだったということなどいろいろな理由を考慮すると、ありえない。
Aはインドで発見されたというカマラ・アマラが有名だが、これも現在では、「自閉症児が捨てられ短期間だけ狼と暮らしているところを発見された」との見方が有力。狼のミルクと人間のミルクの成分があまりにも違うから、狼に育てられることはあり得ない。今回のケースも同様に、動物に育てられたとは考えられない、という。
Bは、言語を全く話せないということからして考えられない。
それで、一番可能性があるのはCであるという。先ほども指摘したように、手足の爪が切られており、手もあまり荒れていなかったこと、腕に動物用のワナにはさまってできた傷があり、これから自力で脱出したとは考えられないこと、などから、何者かに連れ去られたという可能性が強いという。
インドの人権団体幹部の「この女性が、性的もしくは他の目的による虐待の犠牲者である可能性は高い」というコメント、さらに、動物行動学が専門の長谷川寿一東大教授の「何者かが人里離れた場所に少女を監禁し、食物を与える以外の一切のコミュニケーションを絶つなどの虐待をおこなっていたのでは」というコメントが紹介された。
MCの関根さんが「それならどうして女性は、その虐待の事実を話さないのか?」という意味の質問をしたところ、このコーナーを仕切っていた若一光司氏が「性的虐待で一種の人格転移がおこり、自分であることを否定してしまっているからだ。トラウマがあるから話すことができなくなってしまった」というようことを言った。ここで、このコーナーが終わった。
確かに心理学の世界では、アマラ・カマラが狼に育てられたことを否定する見解が主流であるようだが、はたしてそうなのか? 今回の女性が言葉を話せないのは、虐待によるトラウマが原因なのではなく、ただ単に、ジャングルで動物と共に生活を18年間も送っていて、言葉を話す必要性がなかったから忘れてしまっただけなのではないか?
だいたい、何者かに監禁されていたのなら、生肉を好むことだとか、すぐに服を脱ぎたがるだとか、四つんばいで行動するだとか、夜行性であることなどが、説明できない気がするが。
どうしても、アマラ・カマラの再来と考えたくなる。今後も、このニュースには注目していきたい。