世界史が学べるマンガ。こういったマンガで歴史を学ぶ一番の利点は、イメージが描けることである。高校で学ぶ世界史は、極端にいうと、単語を暗記するだけで、具体的な状況が全然像として描けない。ところが、マンガであれば、歴史的な事件が生き生きとした映像として思い浮かべることができるのである。
全巻、別の監修者と漫画家によって作られているが、シリーズとしての統一性もある。それぞれの章の始めには、ミネルヴァのフクロウらしき鳥が時代背景などを説明する。そして実在しない人物や家族などを主人公にして、それぞれの時代の特徴や歴史的事件などを具体的に描いている。
マンガであるから、当然情報量が不足する。これを補うために、コラムや欄外の注釈、巻末の「世界史おもしろ資料館」なども充実しており、必要に応じて細かく歴史を知ることができる。また、一番最後のページには、巻ごとに「自動車の歴史」「貨幣の歴史」「映画の歴史」などがイラスト付きで簡潔にまとめられている。
全体として非常に出来のよい作品だと思う。高校生などが、授業の進度に併せて、このマンガで予習しておくと、非常に効果的だと思われる。
次は『日本の歴史』の方を読んでみたい。これも非常に楽しみだ。